作品賞:ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー

<作品賞ノミネート>

ミリオン・ダラー・ベイビー
アビエイター
ネバーランド
Ray/レイ
サイドウェイ
ミリオン・ダラー・ベイビー

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/ヒラリー・スワンク/モーガン・フリーマン

作品賞を受賞したのは、『ミリオンダラー・ベイビー』でした。

家族の愛に恵まれない女性ボクサーと、娘に縁を切られた老トレーナーの交流についてドラマです。

クリント・イーストウッドが製作、監督、音楽、主演の4役をこなしました。

一方、敗れたのは、マーテイン・スコセッシ監督『アビエイター』。

スコセッシ監督は、2年前の『ギャング・オブ・ニューヨーク』でオスカーで賞がとれませんでした。同じくレオナルド・ディカプリオと組んで、富豪の映画プロデューサー、ハワード・ヒューズの生涯を描きました。

大作としての条件をそろえており、有力候補でしたが、ドラマ性で勝る『ミリオンダラー・ベイビー』にかないませんでした。

もう一つ、注目度が高かったノミネート作品は、『サイドウェイ』です。

これは純然たるコメディですが、作品賞では珍しく、有力候補に挙げられました。

ワイン好きの中年男性が友人と旅行するロードムービー。

監督賞 クリント・イーストウッド『ミリオンダラー・ベイビー』

クリント・イーストウッド

<監督賞ノミネート>

クリント・イーストウッド
「ミリオン・ダラー・ベイビー」
テイラー・ハックフォード
「Ray/レイ」
マイク・リー
「ヴェラ・ドレイク」
アレクサンダー・ペイン
「サイドウェイ」
マーティン・スコセッシ
「アビエイター」

監督賞は、巨匠二人の一騎打ちとなりました。

『アビエイター』のマーテイン・スコセッシと『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド。

作品賞と同じ構図です。

結果は、イーストウッドが2度目の監督賞受賞となりました。

スコセッシは5度目のノミネートでしたが、今回も受賞はなりませんでした。

スコセッシは、『アビエイター』で高度な技術を総動員して、高い完成度に仕上げました。

一方、イーストウッドは、地味な演出で、ドラマ性にこだわった作品作りをしました。

イーストウッドに軍配が上がりました。

また、「サイドウェイズ」で天才的なコメディセンスを見せつけたアレクサンダー・ペインも及びませんでした。

主演男優賞:ジェイミー・フォックス『Ray/レイ』

ジェイミー・フォックス

<2005年主演男優賞ノミネート>

ジェイミー・フォックス
「レイ」
ドン・チードル
「ホテル・ルワンダ」
ジョニー・デップ
「ネバーランド」
レオナルド・ディカプリオ
「アビエイター」
クリント・イーストウッド
「ミリオン・ダラー・ベイビー」

主演男優賞は、『Ray/レイ』のジェイミー・フォックスでした。初めてのノミネートでのオスカー獲得です。

伝説のソウル歌手レイ・チャールズ。その風貌、しゃべり方、そして、歌い方に至るまで、迫真の演技を見せました。

『アビエイター』のレオナルド・ディカプリオは、天才の紙一重ぶりを演じ、有力候補となりましたが、ジェイミー・フォックスに及びませんでした。

主演女優賞:ヒラリー・スワンク『ミリオンダラー・ベイビー』

ヒラリー・スワンク

<主演女優賞ノミネート:2005年>

ヒラリー・スワンク
『ミリオン・ダラー・ベイビー』
アネット・ベニング
『華麗なる恋の舞台で』
カタリーナ・サンディノ・モレノ
『そして、ひと粒のひかり』
ケイト・ウィンスレット
『エターナル・サンシャイン』
イメルダ・スタントン
『ヴェラ・ドレイク』

『華麗なる恋の舞台で』のアネット・ベニングと『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンクの一騎打ちとなりました。

実この2人は、5年前も『アメリカン・ビューティー』と『ボーイズ・ドント・クライ』で壮絶な争いを演じ、ヒラリー・スワンクが勝利しました。

今度はべニングにという同情票が集まるかと思われましたが、またしてもスワンクが勝利。2度目の主演女優賞となりました。

傷だらけになっても闘うひたむきなボクサーを見事に演じました。

助演男優賞 モーガン・フリーマン『ミリオンダラー・ベイビー』

モーガン・フリーマン

<助演男優賞ノミネート:2005年>

モーガン・フリーマン
『ミリオン・ダラー・ベイビー』
アラン・アルダ
「アビエイター」
トーマス・ヘイデン・チャーチ
「サイドウェイ」
ジェイミー・フォックス
「コラテラル」
クライヴ・オーウェイ
「クローサー」

助演男優賞は、モーガン・フリーマンが獲得しました。

モーガン・フリーマンは、主演、助演あわせ4度目のノミネートでした。

この年のゴールデングローブ賞を獲得したクライブ・オーウェンも注目を集めましたが、ベテラン重視というアカデミー賞の風潮もあって、フリーマンが選ばれました。

フリーマンは『ミリオン・ダラー・ベイビー』で味のある老人を演じました。

助演女優賞:ケイト・ブランシェット 『アビエイター』

ケイト・ブランシェット

<助演女優賞ノミネート:2005年>

ケイト・ブランシェット
『アビエイター』
ローラ・リニー
「愛についてのキンゼイ・レポート」
ヴァージニア・マドセン
「サイドウェイ」
ソフィー・オコネドー
「ホテル・ルワンダ」
ナタリー・ポートマン
「クローサー」

ケイト・ブランシェットが初のオスカーを手にしました。

『エリザベス』でもノミネートされていましたが、そのときは、「恋におちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトローに敗れました。

若き日のキャサリン・ヘプバーンを仕草と東部訛りで再現させ、コミカルな演技で観客を笑わせました。

対抗馬とされたのが、「クローサー」でストリッパー役を演じたナタリー・ポートマン。

ナタリー・ポートマンは初めてのノミネートでした。

この年のゴールデングルーブを受賞しており、有力視されていましたが、経験の差もあり、ブランシェットに軍配が上がりました。