歴代のメイクアップ&ヘアスタイリング賞

2020年代

受賞作品 ノミネート
2024 「哀れなるものたち」

哀れなるものたち
  • 「マエストロ:その音楽と愛と」
     カズ・ヒロ(辻一弘)

    マエストロ:その音楽と愛と
    辻一弘

    クーパー大変身

    主演であり監督のブラッドリー・クーパーを、伝説の指揮者レナード・バーンスタインに変身させた。青年期から老年期までステージごとに、巧みにバーンスタイン像を造形。そのスキルの高さに、再びハリウッドがひれ伏した。

    伝説の特殊メイク家

    映画の特殊メイクの世界的な第一人者であり、レジェンド。

    京都生まれ

    1969年京都生まれ。商店街の魚屋の従業員の息子。 子供のころから機械いじりや模型づくりに没頭。 映画「スター・ウォーズ」(1977年)に感動し、書店の洋書コーナーで海外の映画雑誌を読みふけるようになる。高校のとき見たSF雑誌に、俳優ハル・ホルブルック(「大統領の陰謀」のディープ・スロート役)が、特殊メイクによってリンカーン大統領に変身する過程が載っていた。「自分もこれをやるしかない」と確信したという。

    巨匠ディック・スミスとの出会い

    その雑誌で紹介されていたのはテレビドラマ「南北戦争物語」(1985)で、特殊メイクを担当したのは「エクソシスト」「ゴッドファーザー」「アマデウス」など数々の名作の特殊メイクを手掛けてきたメイクアップ・アーテスト界の巨匠ディック・スミス氏(1922年~2014年)だった。

    文通

    さっそくスミス氏の連絡先を調べ、手紙でプロになる方法を尋ねると、「独学が一番」との返事が来た。それ以来、専門誌などを読みながら、自分の顔を実験台にして試行錯誤で特殊メイクに挑んだ。成果物の写真をスミス氏に毎週のように送ると、超多忙にもかかわらず、丁寧に講評を書いて送ってくれたという。

    18歳でホラー映画のメイクに参加

    さらにその数か月後、仕事で来日したスミス氏から電話をもらい、東京で面談が実現。 そこで、スミス氏が特殊メイクなどを監修することになっている日本のホラー映画「スウィートホーム」(黒沢清監督/伊丹十三総指揮、1989年公開)に、スタッフの一人として参加することを提案される。翌春の高校卒業と同時に上京し、四畳半のアパートを借りて「スウィートホーム」の特殊メイク班に加わった。

    黒澤明、伊丹十三

    並々ならぬ才能と献身ぶりが認められ、黒澤明監督「八月の狂詩曲」(1991年)や、伊丹十三監督「ミンボーの女」(1992年)などに参加。さらに、東京の「代々木アニメーション学院」が新設した特殊メイクのクラスの講師も任された。

    27歳で念願の渡米

    1996年、スミス氏の弟子の一人で、「ハリーとヘンダスン一家(1987年)」「エド・ウッド(1994年)」などでオスカーを獲っていたメイク界の第一人者リック・ベイカー氏率いる特殊メイク工房から職をオファーされる。27歳にして長らく夢見ていた渡米を果たした。

    「メン・イン・ブラック」

    渡米後すぐにSF超大作「メン・イン・ブラック」に参加。宇宙人のメイクを担当した。その後も卓越した仕事ぶりで頭角を表す。ただ、「グリンチ」で主役ジム・キャリーのメイクを担当したときにパワハラ被害を受け、うつ病状態になるなど、苦労もあったようだ。

    初ノミネート

    2006年の「もしも昨日が選べたら」で、主役アダム・サンドラーが突然歳をとったり、体格が変わったりする姿のメイクを担当。アカデミー賞のメイク賞に初めてノミネートされる。

    2年連続

    さらに、翌年の「マッド・ファット・ワイフ」では、エディ・マーフィが中国人老人や太った女性などの3役を演じるための特殊メイクを担当。2年連続でオスカーノミネートを果たした。

    「チャーチル」で初受賞

    その後、いったん映画界から退いていたが、「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」で復帰。初のオスカーを受賞した。

    米国民に帰化

    2019年から米国籍。

    <ブラッドリー・クーパーらによる説明▼>
    他の動画▼
    <インタビュー▼>


  • 「オッペンハイマー」
    オッペンハイマー


  • 「ゴルダ」
    ゴルダ


  • 「雪山の絆」
    雪山の絆

2024年の全部門→
2023 「ザ・ホエール」

ザ・ホエール

特殊メイク:エイドリアン・モロット

※ブレンダン・フレイザーを、体重272キロの肥満男性に変身させた。

動画集を開く▼ <ブレンダン・フレイザーの変身について▼>

  • 「エルヴィス」
    エルヴィス
    特殊メイク:ジェイソン・ベアード、マーク・クーリエほか
    【前哨戦での受賞】
    ・クリティック・チョイス賞
    ・英国アカデミー賞
    ・ハリウッド批評家賞
    【配信:アマゾン


  • 「ザ・バットマン」
    ザ・バットマン


  • 「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」
    ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー


  • 「西部戦線異状なし」
    西部戦線異状なし

2023年の全部門→
2022 「タミー・フェイの瞳」

 タミー・フェイの瞳

2022年の全部門→
2021 マ・レイニーのブラックボトム

マ・レイニーのブラックボトム
  • ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか)
  • ピノキオ
  • Mank(マンク)
  • EMMA エマ
2020 スキャンダル

辻一弘(カズ・ヒロ)ほか

 辻氏インタビュー動画(英語)→
  • 1917 命をかけた伝令
  • ジュディ 虹の彼方に
  • ジョーカー
  • マレフィセント2

2010年代(2012年まではメイクアップ賞)

受賞作品 ノミネート
2019 バイス

(グレッグ・キャノム、ケイト・ビスコー、パトリシア・デハニー)
  • ふたりの女王 メアリーとエリザベス
    (ジェニー・シャーコアほか)
  • Border(原題)
    (ゴーラン・ルンドストロームほか)
受賞作品 受賞者
2018 ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 辻一弘、デヴィッド・マリノフスキ、ルーシー・シビック
2017 スーサイド・スクワッド アレッサンドロ・ベルトラッツイ、ジョルジオ・グレゴリーニ、クリストファー・ネルソン
2016 マッドマックス 怒りのデス・ロード レスリー・ヴァンダーウォルト、エルカ・ウォーデガ、ダミアン・マーティン
2015 グランド・ブダペスト・ホテル フランシス・ハノン、マーク・クーリエ
2014 ダラス・バイヤーズクラブ アドルイーサ・リー、ロビン・マシューズ
2013 レ・ミゼラブル リサ・ウェストコット、ジュリー・ダートネル
2012 マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 マーク・クーリエ、J・ロイ・ヘランド
2011 ウルフマン リック・ベイカー、デイヴ・エルシー
2010 スター・トレック バーニー・バーマン、ミンディ・ホール、ジョエル・ハーロウ

2000年代

受賞作品 受賞者
2009 ベンジャミン・バトン 数奇な人生 グレッグ・キャノン
2008 エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜 ディディエ・ラヴェーニュ、ジャン・アーチボールド
2007 パンズ・ラビリンス ダビ・マルティ、モンセ・リベ
2006 ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 ハワード・バーガー、タミ・レーン
2005 レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 ヴァリー・オレイリー、ビル・コルソ
2004 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 リチャード・テイラー、ピーター・キング
2003 フリーダ ベアトリス・デ・アルバ、ジョン・E・ジャクソン
2002 ロード・オブ・ザ・リング リチャード・テイラー、ピーター・オーウェン
2001 グリンチ リック・ベイカー、ゲイル・ロウエル=ライアン
2000 トプシー・ターヴィー クリスティン・ブランデル、トレフォー・プラウド

1990年代

受賞作品 受賞者
1999 エリザベス ジェニー・シャーコア
1998 メン・イン・ブラック リック・ベイカー、デヴィッド・ルロイ・アンダーソン
1997 ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合 リック・ベイカー、デヴィッド・ルロイ・アンダーソン
1996 ブレイブハート ピーター・フランプトン、ポール・パティソン、ロイス・バーウェル
1995 エド・ウッド リック・ベイカー、ヴィ・ニール、ヨランダ・トゥシエング
1994 ミセス・ダウト グレッグ・キャノン、ヴィ・ネイル、ヨランダ・トゥシエング
1993 ドラキュラ グレッグ・キャノン、マイケル・バーク、マシュー・W・マングル
1992 ターミネーター2 スタン・ウィンストン、ジョン・ドーン
1991 ディック・トレイシー ジョン・カグリオーネ・Jr、ダグ・ドレクスラー
1990 ドライビング Miss デイジー マンリオ・ロケッティ、リン・バーバー、ケヴィン・ヘイニー

1980年代

受賞作品 受賞者
1989 ビートルジュース ロバート・ショート、ヴェ・ニール、スティーヴ・ラ・ボート
1988 ハリーとヘンダスン一家 リック・ベイカー
1987 ザ・フライ クリス・ウェイラス、ステファン・デュプイ
1986 マスク マイケル・ウエストモア、ゾルターン・エレク
1985 アマデウス ディック・スミス、ポール・ルブランク
1984 受賞無し 受賞無し
1983 人類創世 サラ・モンザーニ、ミシェル・バーク
1982 狼男アメリカン リック・ベイカー